照明のない古びたその小屋の中で、夜があけるまで過ごすことになった。
やっぱり埃を被っていたけどないよりはましと、部屋の隅にあった衝立を移動させて部屋を半分に区切るように立たせて。
キンが立っている出入り口側にキョウが、その逆側にあたしがいる。
水分を含んだ服を脱いで、両手でぞうきんみたく絞る。
最初はびしゃびしゃと大量に水が服から落ちて、数度繰り返すこと、硬くなった服を伸ばして背後の衝立にかけた。
当然髪の毛も絞ったけど、まだ肌に張り付くほどだ。
はー……。
衝立にもたれるようにして、あたしは床に尻をつけた。
膝を抱えて、深く息を吐いた。あたしの口から吐かれたその息が凍えた膝小僧を少し暖める。
自分の体が発するぬくもりに、改めて生きているんだと実感した。
「リンネ、大丈夫ですか? 具合は?」
衝立の向こうからキョウの声。
「うん、なんともない」
体を抱きかかえるようにして座ったまま答える。
「キン兄さんが見張ってくれていますから、安心して休んで大丈夫ですよ」
キョウがいて、キンが味方になってくれて…、だけど、どうしたらいいんだろう?
あたしはどこへ向かうの? ビケさんのために戦うって誓ったのに、そのビケさんに捨てられた今、あたしには向かう場所さえわからないのに。
「あたし、ビケさんにふられたの」
聞かれてもいないのに、あたしはつぶやくように自分のことを話す。
「そういえばテンやキョウに何度も忠告されたんだっけ。ビケさんへの想いは捨てろって。
二人ともわかっていたんだよね、ビケさんがあたしを想ってくれないこと」
自分で勝手に語りながら、喉のおくから熱いものがあふれ出しそうになってくる。
息を止めそうなほどに苦しいそれが、あたしに襲い掛かる。
「ふられたってちゃんと理解している、だけど……やっぱり受け入れられないって心が叫んでいるの。
苦しくて、苦しくて、どうしようもない。
胸えぐってもこの苦しみからは、解放されないのかな?」
情けなくしゃくりあげる。呼吸の仕方も狂ってくる。
諦めなきゃって叫ぶ防衛本能と、捨てられないっていう闘争本能があたしん中でぶつかり合って。
それがあたしをどんどん苦しくさせる。
「あなたはどうしたいんですか?」
キョウの声、あたしは声を飲み込む。
「桃太郎に振り回されて、ビケ兄さんに利用されて捨てられて、このままでいいんですか?」
なにが言いたいの?キョウは。
「それにあなたのおばあさん…。彼女もあの二人に利用されて捕らわれているはずです。
助けなくていいんですか?」
おばあちゃん……。
「戦いましょうリンネ。私はあなたの苦しみを代わってあげることはできませんが、一緒に戦うことはできます」
キョウ……?
「というのは建前で、実は鬼が島をぶっ潰したいのが本音ですが」
「・・・あたし、どうすればいいの?」
「とりあえず、夜が明けたらここをたちましょう。Bエリアに行って……。テンの動きも気になりますし。
桃太郎から完全に解放された今は、以前のような危険はほとんどきませんよ。
それにもし来たとしても、私とキン兄さんがついているんですから、安心してください」
キョウの優しさに心が震えた。
やっと人の感覚が戻った。まだ全然日常ではないけれど。
だけど、だけどまだ
体の奥からしめつけるような苦しみからは、解放されない。
恐怖が去って、安心すればするほど、それが強くなってあたしに襲い掛かる。
ビケさんがあたしに与えたその気持ちは、今あたしをこれほどまでに強く苦しめている。
あたしは寝たふりをして、声を押し殺して、泣いて、夜を…長い長い闇を耐えた。



「おーし、バッチリ晴れたのぅ。とっとと出発するぞ」
バーンと勢いよく扉が開かれた。眩しい朝日が狭い部屋を明るくしていく。
衝立越しにあたしは太陽の光を感じ、体を起こした。ろくに寝て無いから、体が軋むように痛い。
でも体の痛みなんてはるかにマシだけど……。
「リンネ、準備してください」
衝立越しにキョウの声。衝立にまだあたしの衣服がかかっていることを知っているから、あたしがまだ着替えていないことをわかっているみたい。こちらを覗くことなく、気を使ってくれている。紳士だな、テンとは違う。あいつなら容赦なく覗いて「裸のひとつやふたつくらいでうるさく喚きやがって、とっととしろ!」って逆ギレかますだろうからな。
なんかそんなテンとのやりとりが懐かしく思えている。
まだ乾いてない気もするけど、着替えはないわけだし、あたしはかけてあったインナーに手をかけた。
「あっ、ちょキン兄さん!」
「なんじゃ、ちんたらしとんな、とっとと行くぞ」
「いっ!」
ガッと衝立を掴んだ大きな手が見えたかと思ったら、その手によって衝立は横に飛ばされて、あたしの前に仁王立ちするキンが逆光受けながら現れた。
上半身裸だったあたしは、反射的に胸を両手で隠したけど。
「はっはっはっ、乳のひとつやふたつ気にせず晒しても問題ないぞ。このDエリアではな」
ちょっと、あたしにDエリア的なむちゃくちゃな考え押し付けないでください、というか。
一瞬だけだろうけど、確実に…見られた。乳を……。
赤面しながらキョウが気を使ってキンを外に連れ出してくれている。キンは気にする様子もなく笑っていた。
あいつはちっとも気にしていないんだろうな。あそこまで無神経だとある意味才能を感じるわ。
はー、なんて落ち込んでいる場合じゃなくて、あたしはいそいそと服を着た。まだ湿っていたけど、それは仕方ない。
外に出ると空は晴れ渡っていた。昨夜のどしゃ降りがウソみたいにいい天気。むかつくほどの晴天がまた胸をしめつけるよう。
どんなにあたしが苦しくても、空は晴れるし、ビケさんはなんとも思わないんだろう。
そう思うと悔しくて悔しくて、だけど、どうしようもない。
どうすればいいのかな、どうすれば、解放されるのかな。
「リンネ? 大丈夫ですか?」
立ち止まったままのあたしにキョウが振り返る。
「なんならワシが担いでいってやろうか?」
「そうですね。リンネ、キン兄さんに担いでもらったらどうですか?」
え?なに?なに?
あたしの近くでしゃがみ込むキンに慌ててあたしは距離を置いた。
「け、結構ですからっ」
人の生乳見といて笑って謝りもしない男に担がれるなんて、冗談じゃない。
警戒するあたしに気にすることなくすぐにくるりと向きを変えてキンは進む。
「二十分ほどでBエリアにいけるか」
「そうですね、まずBエリアへ…」
「そんでAエリアに行くか」
キンとキョウの会話。キョウはキンの最初の言葉に頷いたあと、その次の言葉に耳を疑うような顔で
「ええ?! Aエリアって、キン兄さん?!」
なに言ってんだ?こいつってな顔で。もちろんあたしも、なに言ってんだ?こいつ。
「なんじゃ、お前ら二人だけで鬼が島にケンカ売るつもりなんか?Bエリアについたところで味方もおらんじゃろうが。相手は鬼が島じゃ、あの兄者に桃太郎とテン。こっちも味方はつけておくべきじゃろう」
「味方って、まさか」
「ミントのやつを引き込むぞ!」
意気揚々と言うキンにキョウは反論する。
「何言ってるんですか?ミントは雷門ですよ。彼は雷門当主の命なく動いたりしません。ずっとキン兄さんより長く彼と接してきた私のほうがよく知ってます。
彼はなにより雷門を選びます。鬼が島に逆らう道など、力を貸してくれるはずがない、それに…」
キョウの表情がわずかに曇る。
「私は彼と絶縁したんです。Aエリアの領主も辞めて、二度とAエリアの地を踏まないと決心したんです」
Aエリアを抜けた? キョウも昔のあたしと同じ道を……。
深刻な顔でキンを見上げるキョウに、キンは
「そんなん知るか」
けろっとした顔でキン。
「ワシは聞いとらんがな、お前が領主辞めたとか。
それに、言うてきかんなら、力ずくで言うこと聞かせたらいいだけじゃ、問題ない」
ぐっと拳を突き出して、答えるキンに、あたしとキョウはぽかーんとなる。
「だ、だめですよ!」
「そうよ、暴力反対!AエリアでDエリアな考えが通用すると思ったら大間違いなんだから」
あたしたちの反論になにも動じることなく「はっはっは」と愉快そうに笑って歩き出したキン。
だ、だめだこいつは。調子狂わせるな、鬼門キン恐るべし。

Bエリアの街へと入り、ずんずんと進むキンのあとをあたしとキョウが追いかける。
にしても。
Dエリアではさほど気にならないけど、Bエリアに来ると、ちょっと……
キンは目立つ。大柄な体格がとかよりも、なんていうか、存在感?
絶対忍者とか隠密とか…向かなさそう。どうでもいいけど。
「ねぇ、キンのやつ、変装させたほうがよくない?」
隣のキョウにこそっと提案する。それにキョウもうーんと顔をしかめながら、「キン兄さん目立ちますね…」
同じこと思っていたらしい。
そしたら行く先の通りに、黒系の衣服で身を固めた独特の風貌の連中がずらっと並んで待ち構えていた。
なにかのイベントか?ってほど異様な光景、そしてこの連中は間違いなく雷門軍団。
ここBエリアは雷門の本拠地だから、雷門軍団が幅を利かせて当然の場所。
確実にキンに気づいた雷門軍団、まずい、これは確実にチャンチャンバラバラおっぱじまるって身を縮こまらせたら。
ビシッと恐ろしいほどいっせいに頭を垂れる雷門軍団。まるで黒並木の異様な花道。その真ん中を動じることなく堂々とキンが歩いていく。
もしかして、キンはまだ雷門の大将なわけか?
「てことは、変装すべきはこっち?」
あたしとキョウは顔を見合わせて、とっさに近くの店のスカーフを手に入れて、ほっかむりのごとく被った。
雷門ロードを無事くぐりぬけ、ほっとして頭のやつをとった。
「ん?なにしとんじゃ?お前ら」
不思議そうな顔であたしたちへと振り返るキンに、あたしたちは苦笑いで返した。
Aエリアへと向かう道の途中、あたしは見覚えのある景色にはっとした。
通りの奥まったところへと続くある路地、そこへとたぶんあたしは行ったことがある。
桃太郎から聞いた過去のではなく、そのあとの記憶……。
あの先に、小さなコンクリ壁の怪しげな建物があったんだ。そこに、あたしは入ったことがある。
そこで、あたしがしたのは……。
「リンネ?」
キョウの呼ぶ声にあたしは我にかえる。すぐに離れたい気がして地面を蹴った。
だけども、…あの場所に行きたいって気持ちもかすかにあって、今その選択に心が揺らされている。
あたしは知っている、あの場所を……。
苦しみから解放されたくて、たどり着いた場所。
あたしはあそこで……。


難なくAエリアへと到着したあたしたち三人。
関所を通る時キョウは渋っていたけど、もしかしてキンがテンの時みたいに、暴力で強行突破するのかと思っていたけど、キョウに気づいた関所の番人が普通に通してくれたからちょっと拍子抜けした。
キョウも驚いていたみたいだけど、キンの言うとおりキョウが領主を辞めたってことは認識されてないのかもしれない。
領主と一緒ということであたしたちも特に審査もなく通ることが出来た。…結構いい加減なもんだ。
こうしてあたしたちは領主館へとついた。
そして、ミントさんのところへ。
そこは以前あたしがAエリアに戻ってきた時、キョウに連れられてきた部屋だ。そこであたしはミントさんに出会った。クセのある肩より長い黒髪を無造作に縛った、眼鏡をかけた男の人。
ノックもせず戸を押し開けてキンが中に入る。
「ミントー!」
「うわっ、なんすか?」
予想してなかっただろうキンの登場に、座っていたイスをがたっと机にぶつけながら芸人みたいに驚くのはあたしがあった時と変わらない姿でそこにいるミントさん。
ずかずかと入るキンに続いて中に入るキョウとあたし。
「おっきい旦那に、若旦那、それに桃山さんじゃないすか」
背もたれにもたれて目を丸くしているミントさんに、キンが近づく。
「ミントー、問答無用でワシらに協力してもらうぞ」
「は、はーー?」
「ちょっとやっぱり止めてくださいキン兄さん! ミントを巻き込むのは…」
「アホ言うとるなや、キョウ、お前の武器ちゃんと直してもらって、強化してもらわんことには、まともに鬼が島とやりあえるわけなかろうが」
「お、鬼が島とやりあうって、やっぱりマジなんすか?あんたら冗談じゃなくて本気っすか?」
きょろきょろとキンとキョウの顔をかわるがわる見て、ミントさんは混乱気味に訊ねる。
そしてキンの協力しろの言葉に「冗談じゃない!」と首を横に振る。
「言っとくが、お前に選択権なんぞないからな。力ずくでも言うこと聞かすつもりじゃ」
にやりと不気味に目を光らせて、キンが拳を振り上げる。ちょっとこいつならマジでやりかねないぞ。
オタク系容姿のミントさんがDエリア最強のマッチョ男キンに力で敵うはずない。惨劇は想像しやすい。
「ちょっやめなさいってー」
無駄と知りつつもあたしはキンの振り上げた腕に両手でしがみついた。止められるはずもないのに。
「やめてください!」
キンに向き合う形で、ミントさんの前に庇うようにキョウが立つ。
暴力ごとになることなく、すぐにキンの腕は下ろされた。あたしもキョウもひとまずほっと胸をなでおろす。
「はー、少し考えさせてくれないっすか?」
眼鏡を掌でおさえるようにして、ミントさんは深い息を吐いた。
「一晩しか待たんぞ。あとおかしなマネもさせんからな」
急かして脅すマッチョ男。
「はー、たく、なんでこんなことに」
ミントさんはがっくりとうな垂れた。


今夜はここ、Aエリア領主館内に泊まる事になった。そのあとどうするのか知らないけど、とりあえずはミントさんを引き入れることにするらしい。
ミントさんかなり渋っていたな。そりゃそうだろう、鬼が島に逆らうなんて、ミントさんにとってメリットなんてなさそうだもの。でもキンは有無を言わせずって態度だったし、きっと今頃迷っているんだろう。
迷って……ミントさんのこと気にしている場合じゃなくて、あたしも、あれからずっと迷っていたりする。
タイルの床の通路を一人歩いていると、独りになると考えてしまう。
思い出してしまう、ビケさんのことを。そのたびに全身を抉られるような苦しみに襲われる。
「桃山さん〜?大丈夫っすか?」
「うわぁっ」
いきなり顔の真横で声かけられて、驚いてこけそうになった。
真夜中の無人の館内廊下で、そこに立っていたのはミントさん。
「え?あれ、キンは?」
そこにはミントさん一人だけ、つまりあたしとミントさんのふたりっきり。
「ああ、あの人なら部屋で爆睡してるっすよ」
え……? キンのやつ、ミントさん見張るとか脅していたくせに、なんていい加減なやつ。てあたしが心の中であきれたら、ミントさんは笑顔を見せて
「信頼されてるんすよ、なんだかんだでオレっち」
そういう解釈なんだ。
あたしの隣に立つミントさん。やっぱり第一印象の時と変わらず、気さくなお兄さんてかんじで、雷門の人間にも関わらず、あたしに警戒心を抱かせない人。
キョウも信頼を置いている人みたいだし、だからだろうか。悪い人とは思えない。
「ハー、それにしてもなんでなんすかねー」
ため息をつきながらそうつぶやくミントさん。そうだよね、鬼が島に逆らうなんて、簡単に納得できることじゃないよね。
「オレっちとしては、お嬢とくっついてほしかったんすけど」
?ん、はい?なんの話?
「はー、お嬢はどうなるんすかねー、いやお嬢よりもむしろ周囲のほうが心配っすねー、また多大な犠牲が……」
なんか、ミントさん別のことで悩んでらっしゃる??
お嬢って、もしかしてカイミってこのこと?
「けど、そればっかりは、仕方ないっすね。人の想いってのは簡単にいかない」
あたしへと視線を向けるミントさん。ミントさんの今の言葉、あたしが思っていることと同じ……。
「そう、ですよね。ほんとなんで上手くいかないんだろ」
おばあちゃんとテンは恋人同士で、テンとビケさんはかつての真友で、ビケさんはおばあちゃんが好きで、あたしはビケさんが好きで……。
好きで片想いしたり、切ない恋をするわけじゃないのに。心は幸せを求めて、きっとその人に恋をするんだろうに。崖っぷちを走るようなものなのかな、恋愛って。危険とすれすれで、手に入れようと必死にもがくものなのかな。
「あんたずーっと、迷った顔してるっすね」
「え?」
なんでわかるの?エスパー?
「桃山さんあんたちょっとだけ、オレっちの昔の女に似てるっす。ちょーっとだけね」
「え? そうなんですか。…なんでその人と別れたんですか?」
「オレっちBエリアにいたんすよね。まあ理由は、彼女よりお嬢や若旦那がオレっちにとって大事だって思ったからっすよ。あの人の為に、オレっちはいろんなもの捨てられた。あんなに大好きだったたばこだってきっちりやめたし」
「タバコはやめて正解ですよ。健康にもよくないし」
「ははは、若旦那にも同じこと言われたことあるっす」
ふいっと天井見上げてミントさんは再び口を開く。
「まあ、若い時は恋愛で頭がいっぱいになってもしょうがないっすね。オレっちにもそんな時期あったし。
その代わり諸刃の剣っすよね。その想いが強ければ強いほど、ダメになったときは強く傷ついちまう……」
あたしのこと、言われているみたい。どうしたらいいのかわからない。このつらさを消せるなら消したい。でも、まだ想いが残ったまま叫んでいる。
「あたしどうしたらいいんですか? 
忘れたほうが……いいんですか?」
救いを求めるように、あたしはミントさんを見上げた。
迷っているその心をどうにかしたくて、答えがほしくて。あたしは今この人の返答を頼っている。
「そうっすね、失恋には新たな恋が一番の薬って聞くっすね。
そうそう桃山さん。キンの旦那なんてどうっすか? なかなかお似合いだと思ってるんすけど」
は? なにを言ってるのだ?このお兄さんは。
「なんでそこでキンを奨めるんですか? ありえない人選ですよ?
というか、あたしは本気で悩んでいるんですけど」
おどけた顔していたミントさんはすぐにマジメな顔になって、あたしを見つめる。
「オレっちがそうしろっていった道をあんたは迷わず選ぶんすか?
あんたの道はあんた自身で選ばなきゃだめっすよ」
あたしの横をすりぬけたミントさんは通路の奥へと消えていった。
しばらく、通路に立ち尽くしたまま、あたしは思いをめぐらせていた。
あたしも、決断しなきゃ、どちらかの道を、今選ばなくちゃ。
Aエリアの静かな夜は過ぎていく。ざわめくあたしの心とともに。



BACK  TOP  NEXT