イアと別れた直後、星を見上げていたアオは、視線を地平へと戻すことになる。

「…ドゥルブの者、アオ…」

幼い少女のつぶやく声がした。どれくらいぼうっとしていたのかしれないが、気がつけば少女は前方に立っていた。
顎のラインでキレイに切り整えられた頭髪、装飾を施した帽子が小柄な体のせいで余計に大きく見えてしまう、胸元で銀色の盤を抱えているのは…、もちろん天童子だ。
見渡すが、供のナリブラナの者はいない。彼女一人だけだ。すでに就寝についていると思っていた天童子が、供もつけず一人でこんなところにいていいのだろうか、アオは心配になるが、天童子はずっと無表情で動じないままでいる。
天童子は、視線を銀色の盤からアオのほうへと移した。

少女が心配な気持ちもあるが、それよりも、アオのことをドゥルブの者と今確かに言ったことが気になった。天童子なのだからそんなことはお見通しということなのだろうか?もしかしたら、他の者から自分のことを聞いたのかも知れないとも思う。天童子の対応をしていたのは長とソウだ。そのどちらかがアオのことを説明したのかもしれない。

「どうして、オレのことを知って…、そうか、誰かから聞いたんだよな?」

アオの問いかけに天童子は頷くでもなく、無表情のまま視線を天の星へと向ける。小さくぽつりぽつりとつぶやく。

「ドゥルブの金剛石が、アナタを呼んでいます。早く…見つけることです」

【ドゥルブの金剛石】その言葉を聞いてアオの胸の中は焼け付くように瞬間カッとなった。あの日の、残酷すぎる光景が頭の中流れていく。そして強いショックに胸をちぎられそうなほどつかまれるような痛みに、脂汗が浮き上がる。
金剛石は、あの日父が持っていたはずだ。その父はあの男に殺されて、その時に奪われてしまったはずだ。アオはそう思い込んでいた。
つらい現実を思い出させてくれた。このときはそう感じたが、天童子のこの言葉が、アオの忘れていた記憶を蘇らせるきっかけとなったのだ。アオがそれを思い出すのは、天童子と別れ、一人に戻ったときだった。天童子はその意味深な言葉をアオに残して、迎えに来た供と一緒に就寝の場へと戻っていった。一人残されたアオはあの日の父の言葉を思い出し、己の非力さを後悔していたが、記憶の中に天童子の顔と声が混じり出し、ハッと忘れていた重要な情報を思い出したのだ。


「そういえば、金剛石は……」

ずっと思いこんでいた、金剛石は奴らに奪われたものだと。だがこの記憶が確かなら、奪われてはいなかったことになる。高鳴る胸のリズムでアオは駆け出す。大地を叩く足音と、希望を奏でる胸の音がひとつになる。

「そうだ、奪われてなかった!」


宴が終わり、皆就寝の場へと戻っていた。見るからに嬉しそうな顔のアオを見て、ダンに「なにかいいことあったんだろ?」とばれてしまう。

「なんだよ、なんでそんなことわかるんだよ! たしかにそうなんだけどな」

興奮冷めやらず、荒い息で落ち着かない様子のアオ。まあまあ座って落ち着けとダンが促し、二人とも腰を落とす。

「ははーん、宴でいいことがあったんだな?」

と茶化しながら話を聞いてくるダンだが、アオの興奮の原因は宴に関することではなく、もっと重要なことだった。それに驚く羽目になる。

「オレ天童子に言われたことで、思いだしたことがあるんだ。奪われてなかったんだ、金剛石は!」

「…ん、え? なんだって?」

想像していた内容と異なっていたアオの返答に驚き、我が耳を疑いつつダンが聞き返す。

「ドゥルブの金剛石は、黒痣たちに奪われてなかったんだ」

「なんだってーー?!」

「え、一体どういうことなの?」

ダンより遅れてアオたちのゲルに入ってきたのはフダルだった。ダンたちの声が聞こえていたらしく、何事なのかと彼も会話の中に加わる。
アオは二人に話した。天童子とのやりとりを、そして思い違いしていた自分の記憶を説明した。

「父さんが持っていたのはダミーなんだ。オレとアイはそれを知っていたんだけど、いつも目にしていたダミーのほうを本物だと思い違うようになってたみたいで。だけど、たしか昔言ってたんだ。本物は眠りの洞窟の奥に隠してあるんだって」

そのときの旅に途中まで同行したことを思い出した。当時のアオは幼く、洞窟は危険な砂漠を越えた先にあると聞いた。途中で父たちと別れて、帰りを待っていたことがあったのだという。

「それって朗報じゃないか! そうだ、長には今の話したのか?」

ダンの問いかけに、アオは「いいや」と首を振る。まだ長どころか誰にも話していない。ダンたちが初めてだ。

「早く長にも伝えたほうがいい。黒痣の奴らに奪われる前に、保護しないといけないだろ」というダンと、

「だけど危険な道のりの先にあるんだよね? かえってそのままにしておくほうが安全なんじゃないかな?」というフダルの意見で二つに別れたが、アオはどちらの意見に頷くでもなく、「とにかく、オレが金剛石のもとに向かわなくちゃいけないんだ」と言い聞かせるようにつぶやいた。
厳しい顔つきになって一人考え込むアオに、フダルとダンが親身な態度で彼を励ます。

「アオ、とにかくどちらにしても君ひとりでどうにかしようなんて思うことないよ。困ったことはなんでも相談に乗るから」

「そうだぞ、少なくとも俺たちはお前の味方なんだからな。お前の複雑な気持ちはわからなくもないけど、やっぱりちゃんと長に話しておくべきだ。なにか策を講じてくれるだろう、心配すんな、な」

パンパンとアオの肩を叩きながらダンがそう言った。真実を知った興奮で、そのまま一人で金剛石を探しに飛びだしたい心境だったが、冷静になるとそれはとても無謀で、アオ一人では相当困難なことだからだ。



夜が明け、早朝に天童子一行はナイムを離れる。長始めナイムの者たちが見送る中、アオは天童子へと駆け寄る。「おい、アオ」とダンの呼び止める声がしたが、その声に振り向くことなくアオは天童子を呼んだ。ナリブラナの従者がアオの行為を諫めたが、天童子の「かまいません」の一言で従者は渋々ながら下がる。

「なんですか? ドゥルブの者」

「昨日の話、本当なんだよな?」

「…星がそう告げた、それだけのことです」

わかっている、天童子がアオに嘘をつく必要などないことは。ただ、背中を押してくれる力にしたかった、だから改めて確認したかった。

「ありがとう、オレにはまだ、守らなきゃいけないものが残ってた。それを教えてくれてありがとう」

全身の血が一気に駆け巡るように、アオの頬は紅潮していた。奪われたと思っていた大切なもの、父から守れと託された…アイは守れなかったが、金剛石だけは、まだこの手で守ることができるのだ。その事実がアオに前向きな生き方を導いてくれる。
歓喜するアオに反して、天童子は感情の灯らない表情で、ただアオを見ている。星の映らないこの時間帯でも、銀色の星見票は胸元に抱えられている。

「アナタの事情など私には関係ありません。私は星のお告げを聞く、それだけの存在です」

アオの感謝など感情など、天童子にとっては無意味なもの、人によっては冷たくも感じる返答に、だけどもアオはそれを不快に感じるでもなく、天童子の言い方を悲しく思ったのか、彼女の華奢な肩を掴んで「そんなことない」と否定した。

「それだけの存在なんかじゃない。オレは大事な忘れていたことを思い出せたんだ、君の言葉があったから、オレは」

「なにをしているのだ、天童子には実の親ですら気安く触れてはならんのだぞ!」

アオの行為にナリブラナの従者の非難の声が飛ぶ。慌ててアオは手を離すが、名残惜しそうに告げる。

「オレにとってはただの天童子とは思えないよ。他の子供たちみたいに、仲良くなりたいと思ってる、君の名前が知りたい」

アオの言葉に頷くことも首を振ることも天童子はしなかったが、従者に連れ戻される直前、アオに背を向けながら小さくぽつりと、それはアオだけに聞き取れた声量で「…コル」とつぶやいた。

「コル、か」

馬に跨り、小さくなって行く天童子一行をアオたちは姿が見えなくなるまで見送った。「また、会おうな」アオは聞こえるはずのない相手に、そう誓うのだった。


天童子を見送り、アオは自分のやるべきことを見出した、がこれからどうすべきか、迷っていた。やはりダンに進められたとおり、長に相談するべきなのか。しかし、ダヴァフを憎く思う感情が薄れたわけではないアオは、簡単にダヴァフを頼れるはずがない。どうすべきか、迷いながら長のゲルの側まで来て、立ち止まり悩む。ぐるぐると頭の中でいろんな感情が駆け巡り、もう戻らない笑顔の妹アイ、父の言葉、そして天童子の声…。考えて、優先すべきことは【金剛石】だと結論づける。

迷いながらも入り口の側まで来てしまい、だがその足は向かうことなく止まる。戸惑う気持ちから、だけではなく、中から会話が聞こえたからだ。声の主は長とソウだ。

「天童子のお告げ、ナイムを破滅に向かわせる凶星とは、すでにナイムの中にいるのではありませんか?」

ソウの声だ。中での会話のためややくぐもって聞こえるが、たしかに今の箇所は聞き取れた。天童子のお告げ、それもかなり物騒な内容だ。ソウの言い方からして、ナイムの中にナイムを破滅に向かわせる存在が潜り込んでいる、ということだ。つまり、裏切り者が仲間の中にいる…、少なくともソウは誰かを疑っているようだ。
聞いてはいけない話を聞いてしまった。そう感じたが、静かに音を立てないようにアオは入り口から数歩下がる。それでも耳は二人の会話に集中している。少なくともこの話に自分は無関係ではないと感じたからだ。

「心当たりでもあるのか?」

ダヴァフの低い声がソウに問いかけていた。それにソウは「…そういうわけでは…」と自信なく声を弱めたが、ナイム内部を注視するべきだと主張した。たったひとつの悪しき星のせいで、ナイムの多くの星が不幸に落とされるというのだから、次期族長の立場でもあるソウは過剰でも警戒したほうがいいと言うのだ。父に考えがあるのかないのか、そこまでソウにはわからなかったが、父のことは誰よりも尊敬している。だからこそ、失うのが恐ろしいのだ、父である長を、そしてこのナイムを。守らなければいけない、その責任感が強くあった。だが若さゆえにその想いが暴走しかねない、ソウの不安を察しながら、ダヴァフは常にずしりと揺らがぬ姿で息子の心を落ち着かせる。

「ならば急くな。まずはお前がやらねばならぬことをなすのだ。お前よりも私のほうが皆のことは熟知している。様子のおかしい者がいればすぐに対処する」

「はい、わかっています。ですが父上の負担を少しでも負う事ができればと、力になりたいのです」

顔は見えないが、声の調子からソウの父に対する熱い想いがアオにも伝わる。きっと、ソウはダヴァフのためなら、どんな危険だって向かえるのだろう。女が苦手で情けないところがあるが、長の息子である責任感も強い。いざという時は、ソウは強い男なのかもしれない。
それはともかく、ソウたちの話が本当なら、ナイムを破滅に向かわせる元凶とは誰なのだろうか? 仲間を疑うなんてこと、アオも不快に思うが、ハッと気づく。新参者で唯一の生き残りの自分が疑われてもおかしくない。さらに長やソウに対しての態度は、敵意を丸出しで、疑われはしても、信頼などされているはずもない。そう気づくと血の気が引いていくようだった。ソウに裏切り者だと疑われても、仕方がない。だからといって今更、ソウたちにこびるような態度に移れるはずもないし、アオの中から憎しみが消えたわけでもない。

「(もしそうなったときは仕方ない、一人でもオレは…)」

自分の成すべきことをアオは見つけた。だからたった一人になっても、そのために生き延びる。一人そう誓ったとき、

「! 父上、失礼します」とソウの声がして、退室するのだと気づき、慌ててアオは長のゲルから立ち去ろうとしたが、立ち去る暇なくソウに見つかり呼び止められる。

「アオ、やっぱり君だったんだね。音でわかったよ」

「あ、ああちょっと通りすがっただけで、別に用なんて…」

冷や汗かきながら否定するアオ、先ほどのソウたちの会話からして、自分が厄だと疑われても仕方ない状況で、内心焦る。
それに音でわかったってどういうことなんだ? 物音は立てないように気をつけたはずなのに、不安になりながらも、ソウに「ちょうどいい、話があるんだ、一緒に父上のところにきてほしい」と言われて長のゲルへと連れて行かれる。ソウと長の先ほどの会話を聞いてしまってたアオは緊張する。その上、長と顔を合わせるのは気まずい。あの時以来、まともに顔を合わせていないし、合わせるつもりもなかったからだ。対面する長ダヴァフは厳しい顔つきで、緩むところが想像つかない男だ。気さくだったアオの父親とは対照的な性格だ。このような状況でなかったとしても、アオは苦手なタイプだと感じる。鋭いダヴァフの視線を感じて、アオは「(オレは疑われているんだろうか、そうだとしたら、オレはどうする?)」自問し、一言も発せられない状態のアオの横で、ソウの「父上」という快活な声が発せられた。

「成人の儀のことですが、アオと一緒に臨みたいと考えています。さっそく明日にも旅立ちたいと思います」

「…ん、え?」

突然なんの話なのか、アオにとっては寝耳に水だ。不意をつかれた形で、ぽかんとした顔で隣のソウを見やる。ソウはまるで以前から決まっていた事柄のように勝手に話を進めている。そんな約束した覚えはない。

「ちょっと待ってくれ、突然なんの話なんだ?」

「アオも成人の儀はまだ終えてなかったはずだよね?」

「…たしかにそうだけど、予定ではアイの結婚の儀が済んでから…のはずだったけど」

ドゥルブが滅んでしまい、アオの儀式は立ち消えになったままだ。とはいえその気になれば儀式は一人でも可能だ。寺院に向かい、そこで成人として認められる儀式を一通り受けてくるだけだ。ただそこまでの道のりは遠く、供をつけて行うことも少なくない。ソウも近々行う予定だったという話だから、以前から予定していたことなのだろう。だがアオも一緒にとは聞いてなかった、初耳だ。困惑するアオを取り残し、ソウと長はやりとりする。

「そうだな、いろいろとあったが一段落したところだ、行ってくるがよい」

長はあっさりと承諾した。「いいのか? オレが一緒に行って」と訊ねるアオに、ソウは嬉々として「もちろんだよ、アオと一緒の旅なら心強いよ」と言い、ますますソウという人物がわからなくなる。こいつはさっき仲間の中に裏切り者がいると疑っていた、オレのことを怪しいと思ってないのか?それとも…わざと?そんな考えをぐるぐるとさせながら、結局アオはソウと一緒に寺院へ向かう旅に出る方向に決まってしまった。ちらり、と横目で長を見やるが、変わらず鋭い眼光で、この男の考えもアオには読めない。天童子コルとは別の意味で無表情だ、性質が悪い。

悶々としていたが、それはアオにとっても都合の悪い話ではなかった。寺院のさらに北方にドゥルブの金剛石が隠された【眠りの洞窟】があるはずだ、アオの記憶が正しければ。ただ同行するソウにアオの目的は伝えていない。向こうがアオを疑っている可能性があるのなら、真実を伝えるのは賢明ではない。儀式へと旅立つ件は、相談に乗ってもらっていたダンとフダルには報告した。「気をつけていってこいよ」「無茶はしないようにね」それぞれがアオに優しい励ましの声をかけてくれた。支度の準備をすませ、アオは旅の供となる馬のもとへ向かう。
アオの愛馬は、襲撃時に殺されてしまった。似た様な馬がいいだろう、と思っていたが世話をしていた時にいつも気になっている馬がいた。他の馬より一回り小柄で、性格も気弱な【サリヒ】だ。世話焼きのアオはサリヒをいつも気にかけているうちに、ひどく懐かれるようになった。気がつけば愛着を持つようになっていた。頼りになる、とは言いがたいが、この中でアオが一番信頼しているのは、サリヒだ。だから、迷うことはなかった。「短い旅だけど、世話になるぞ」体をなで頬寄せるアオに、サリヒはいななきで答えた。

出発の朝、サリヒをひいて歩いていくアオのもと駆けて来るのはイアだ。

「待って、アオ…これを渡したくて」

はぁはぁと息を切らしながらイアがアオに手渡すのは、布で包まれた手のひらに収まる大きさの…手製のおまもりだった。

「ごめんね、急ごしらえで、だけどちゃんと想いはこめたから、旅の無事を祈っているわ」

「わざわざありがとな、イア。持っていくよ」

アオの出立を聞いて、慌てて作ったのだろう。徹夜をしたのか寝不足のようで目が充血していた。無理をさせて申し訳ないと思う気持ち半分、イアの一途な想いが嬉しかった。「大事にしなきゃな」と言ってアオはおまもりを懐に仕舞う。
イアには金剛石を探す目的のことは話していない。聞いた話では洞窟までの道のりは大変な危険が待ち受けているという。幼いあの日の記憶、無事戻ってきた父は「もううんざりだ、あんな恐ろしい思いは二度とごめんだ」青い顔してそう話していたのを思い出す。危険が待っていても、いくしかない。天童子コルが教えてくれた、アオの大切なものを守る為に。イアには心配をかけさせたくないため話していないが、彼女のためにも無事帰ってこよう、そう心に誓う。

「ねぇアオ、私アオの気持ちちゃんと聞いてないわ。教えてほしいの、私のことどう思っているか」

顔を赤らめながらイアが訊ねる。そういえば星祝いのときにイアに「アオのお嫁さんになりたい」と打ち明けられたのだった。そのあとの天童子の言葉が印象的すぎて、イアのことを忘れていたわけではないが、彼女のことを考える余裕がないほど、いろいろな事実が押し寄せるようにアオの中に流れ込んでいた。
改めてイアのことを思うと、彼女はアイではないが、アオにとっては妹のように大切で守りたいと思える友人だ。すぐに結婚を考えられる立場ではないが、いつかちゃんと真剣にイアの想いに向き合いたい、そう思う。

「オレも好きだよ」と言って人懐こい笑顔でくしゃりとイアの頭を撫でると、イアは「ほんとうなの? 嬉しい」と幸せそうにはにかんだ。


サリヒを引いて、ソウと合流すると見送りに出ていた皆とそれぞれ挨拶をかわす。ソウと一緒に長の前に行き、改めて出立の宣言をする。

「儀式を終えればお前たちも大人だ。気を引き締めて戻って来い。その時にお前たちそれぞれに役目を与えることになる、今後はしっかりとその務めを果たしてもらうことになるぞ」

「はい行ってまいります!」

アオとソウはそれぞれの馬に跨り、儀式の場である寺院を目指す。大人になり、己の役目をしっかりと果たす、決意し希望に満ちた眼差しのソウ。
アオは儀式のことよりも、その先で待っている【ドゥルブの金剛石】のことで頭がいっぱいだった。長はアオたちに役目を与えると言っていたが、アオ自身は、金剛石を手に入れ守ることが己の役目だと思っていた。
こうしてアオとソウの短い二人旅が始まった。その先に待ち受ける恐ろしい困難を、二人がまだ知るはずもない。


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